石巻川開き祭り31日、2日間の日程で石巻市中心部で始まる
■石巻川開き祭り 震災犠牲者を悼み灯籠流し
「石巻川開き祭り」(実行委員会主催)が31日、2日間の日程で石巻市中心部で始まった。旧北上川では夕方、東日本大震災の犠牲者を悼み、鎮魂と復興を祈る灯籠約5000個が浮かべられた。
満月を幻想的に映す川面に赤、青、緑など色とりどりの淡い光を放ちながら、灯籠は静かに川を下った。訪れた人は見守り、手を合わせた。
供養花火も打ち上げられた。
地方紙7紙が連携し、平和への願いを込めた新潟県長岡市の慰霊花火「白菊」が夜空に白い花を咲かせた。街中では、震災の影響で途絶えていた七夕飾りが5年ぶりに復活、通りを飾った。
1日はメーン行事の孫兵衛船競漕(きょうそう)の準々決勝、準決勝、決勝がある。花火大会は午後7時半から約6000発が打ち上げられる。
■手作り七夕5年ぶり復活
色とりどりの吹き流しを竹につるす七夕飾りは、70年以上前から地元の商店主らが作ってきたが、震災で多くの店が被災して途絶えた。今回の復活は市内の街づくり団体が企画し、6月中旬から小学校や仮設住宅で製作。この日は商店街に約60個が飾られた。
一方、旧北上川では震災の犠牲者を追悼する約5000個の灯籠が流された。
石巻市の「石巻川開き祭り」が31日に開幕し、中心商店街のにぎわいに花を添える七夕飾りが5年ぶりに復活した。東日本大震災の影響で2010年夏を最後に途絶えていたが、地元のまちづくり団体「ISHINOMAKI(石巻)2・0」が商店街主体から市民参加型に衣替えし、よみがえらせた。
市中心部のアイトピア通り(約250メートル)沿道には高さ約10メートルの竹が24本設置され、色とりどりの和紙などで作られた花かごや吹き流しがつるされた。酷暑の中で涼しげに風にそよぎ、行き交う人が足を止めて見上げていた。
川開き祭りの七夕飾りは70年以上の歴史がある。商店街の店主らが製作したが、多くの店が津波被害を受け、震災後は中断していた。
石巻2・0は震災があった11年から、川開き祭りに合わせてまちづくりを考えるイベントを開催。ことしは七夕再開をメーンに、市民にまちへの関心や愛着を抱いてもらおうと考えた。
飾りを作るワークショップは東京と石巻で計13回開催し、延べ500人以上が参加した。自宅で作り、届けに来る人もいたという。
■ 孫兵衛船
石巻市の石巻川開き祭りが開幕した31日、水上のメーン行事「孫兵衛船競漕(きょうそう)」の予選レースが旧北上川河口であった。川岸から大勢の観客が見守る中、選手は上位進出を目指し、掛け声を合わせ懸命にオールをこいだ。
レースは石巻大橋-内海橋間の400メートルで実施され、孫兵衛船(全長10メートル、12人乗り)に45チーム、女性向けのミニ孫兵衛船(7.5メートル、8人乗り)に13チームがエントリーした。
東日本大震災で休止した孫兵衛船競漕は、船の新造が完了した昨年に完全復活。ことしは出場チームが13増え、震災前の規模に戻った。
旧北上川を管理する国土交通省北上川下流河川事務所の女性職員は、ミニ孫兵衛船で初出場した。
毎年参加している男性職員に触発され、祭りを盛り上げようと参加を決めた。仕事の合間に慣れない練習を重ね、迎えた本番。白熱のレースを展開したが、相手チームに2艇身差で敗れた。
1日は準々決勝以降のレースが実施される。
■石巻川開き祭りスケジュール