杜の都ふるさと便 

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蔵王山の警報の解除時期 1日当たり数回のまま1カ月間経過した時点

蔵王山の地震1日数回が1カ月 解除目安
 

仙台管区気象台の稲葉火山調査官が蔵王山の火山活動について説明する

 
 仙台管区気象台は12日、蔵王山に出している火口周辺警報を解除する大まかな目安として「火山性地震の発生が、1日当たり数回のまま1カ月間経過した時点」との見解を示した。報道機関との会合で明らかにした。

 管区気象台火山監視・情報センターの稲葉俊英火山調査官は「地震の少ない状態が1カ月続いたら、現地を観測して警報を解除するかどうか総合的に判断したい」と語った。

 蔵王山の山頂周辺で1~4月にかけて観測された1~2センチの隆起については「現時点では季節変動ではないかと推測しているが、もっと様子を見ないと分からない」と述べた。


■「火口警報」1か月 蔵王 止まらぬ宿泊解約

 蔵王山に「火口周辺警報」が出されてから13日で1か月となる。山麓の温泉街では宿泊予約のキャンセルが依然として相次いでおり、観光関係者らは「警報が早く解除されないと、収入が激減しかねない」と危機感を強めている。

 蔵王、川崎両町によると、ゴールデンウィーク期間中は好天に恵まれ、キャンセルされていた分が飛び込み客で埋まるなどしたため、宿泊客数はほぼ前年並みだったという。

 しかし、山麓にある蔵王町のホテルでは、山形県につながる観光道路「蔵王エコーライン」の閉鎖が続いていることもあり、ツアーバスを利用した6月の宿泊予約が全てキャンセルされたという。担当者は「このままでは夏休みや紅葉時のツアー客もゼロになる」と気をもんでおり、町農林観光課は「箱根山でも火山活動が活発化したことで、警戒心がより強くなりそうだ」と話す。

 川崎町でも、青根、峩々両温泉の宿泊施設に町が聞き取り調査したところ、かきいれ時の5~7月の売り上げが、前年同期の約半分にまで落ち込むとの回答が大半だったという。

 町地域振興課は「県外の観光客を中心に予約が全く入らない。安全性について情報発信しているはずなのに」と頭を抱える。

 仙台管区気象台によると、火口湖「御釜(おかま)」周辺を震源とする火山性地震は5月に入っても続き、12日も午後10時までに5回観測された。同気象台は「沈静化する様子はなく、警報を解除できる見通しは立たない」としている。

 一方、東北大学地震・噴火予知研究観測センター(仙台市)によると、蔵王山頂付近で1~3月の間に約1センチの隆起が観測された。2013年4月の観測開始以降、最大規模といい、同センターは「現時点で火山活動との関連は不明だが、地下深くでマグマが動いている可能性もある。観測を続けたい」としている。

 

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