杜の都ふるさと便 

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宮城県岩沼市の岩沼中1年高橋怜さん(13)が「ペイ・フォワードと世界の未来」で「国際協力機構理事長賞」を受賞 

「善意のバトン」岩沼中の高橋さん、最優秀賞

 国際協力機構(JICA)の「国際協力中学生・高校生エッセイコンテスト2014」の中学生の部で、岩沼市の岩沼中1年高橋怜さん(13)が最優秀賞の国際協力機構理事長賞を受賞した。海外にホームステイしたときの体験を基に、善意の輪をつなぐ大切さをつづった。

 中学生の部には全国3万7669点の応募があった。高橋さんは「ペイ・フォワードと世界の未来」というタイトルで書いた。

 昨年の夏休みに高橋さんは米国にホームステイした。初めての一人旅で、言葉も通じず不安だったが、周囲の人々に温かく支えてもらった。どうお礼していいか分からず申し訳なく思っていたとき、現地の人に「ペイ・フォワード」という言葉を教えられた。

 受けた恩を直接相手に返すのでなく、周りの誰かに送ることによって善意のバトンを次から次へとつないでいくことを意味する。日本で言うところの「恩送り」、即ち社会の善意の連鎖ということ。

 「日常生活の中で困っている人に会った時、できる範囲のことをするのも立派なペイ・フォワード」と気付いた高橋さん。「ペイ・フォワードが人から人へと広がって、いつの間にか世界や未来の人々の幸せにつながっているとしたらステキだと思いませんか」などとつづった。

 2月28日に東京で表彰式があり、賞状を受け取った。副賞として今夏、約1週間の海外研修旅行がある。高橋さんは「受賞を聞いたときは信じられなかった。私自身もペイ・フォワードを実践し、笑顔の輪を広げていきたい」と話す。
 

★ペイフォワード
英語:pay it forward、pay forward

ある人物から受けた親切を、また別の人物への新しい親切でつないでいくことを意味する英語。

または、多数の人物が親切の輪を広げていくための運動のこと。

アメリカ合衆国などで突発的に一つの場所で行われることが稀にある。ちなみに同一人物にお返しすることはペイバック(pay it back,pay back)というが、これでは2人の間で親切が途切れてしまう上、悪い意味でのお返し(復讐)の意図も含んでしまうことがある。
 

★恩送り(おんおくり)とは、誰かから受けた恩を、直接その人に返すのではなく、別の人に送ること

 

「恩」とは、めぐみ、いつくしみのことである。 誰かから受けた恩を、自分は別の人に送る。そしてその送られた人がさらに別の人に渡す。そうして「恩」が世の中をぐるぐる回ってゆくということ。

「恩送り」では、親切をしてくれた当人へ親切を返そうにも適切な方法が無い場合に第三者へと恩を「送る」。


恩を返す相手が限定されず、比較的短い期間で善意を具体化することができるとしている。 社会に正の連鎖が起きる。

江戸時代では恩送りは普通にあったと井上ひさしは述べている。

実際、例えば『菅原伝授手習鑑』などにも「恩送り」という表現は見られる。


「(略)利口な奴、立派な奴、健気な八つや九つで、親に代つて恩送り。お役に立つは孝行者、...(略)」 (出典『菅原伝授手習鑑』「寺子屋の段」)

また、「恩送り」と意味が相当程度に重なる別の表現が古くから日本人にはしっかり定着している。『情けは人の為ならず』というものである。

『情けは人の為ならず』とは「情け(=親切)は、いずれは巡り巡って(他でもない)自分に良いことが返ってくる(だから、ひとに親切にしておいた方が良い)」という意味の表現である。

「恩送り」や「情けは人のためならず」といったモラル・常識は、各地の人間社会が古くから持っている良識のひとつ。類似した考え方は、日本以外の国々、様々な国・共同体にも見られる。

英語ではA kindness is never lost(親切は決して失われないので実行しよう)と表現している。

ただし、現代の先進国などでは人々が、こうした良識やモラルを忘れがちになり、極端に利己的で近視眼的になる傾向があることや、それが社会的に見ると様々な害を引き起こしていることはたびたび指摘されている。

そのような状況の中、近年、英語圏では「恩送り」に相当する概念が、Pay it forward(ペイ・イット・フォーワード)の表現で再認識されるようになった。

Pay it forward or paying it forward refers to repaying the good deeds one has received by doing good things for other unrelated people.
この"Pay it forward"をテーマに小説『 ペイ・フォワード 可能の王国』が書かれ、この本のアイディアをもとにペイ・イット・フォーワード財団が設立された。

この財団は学校の生徒、親、教師に、このPay it forwardの考え方を広める活動をしている。

日本でも近年、「恩送り」という考え方に言及している本はいくつもある。

例えば、次のような本。
 中村文昭著『非常識力。でっかいことを考える、カッコいい大人になれ! 』(PHP研究所、2007)
志賀内泰弘著『毎日が楽しくなる17の物語:ようこそ「心の三ツ星レストラン」へ』2009、等々等々。

『非常識力。でっかいことを考える、カッコいい大人になれ! 』には『「恩返し」よりも「恩送り」』という章があり(p.72-74)、そこには次のような主旨のことが書かれている。

 『(恩師などから)受けた恩を返すなんて、とてもできることじゃない。でも受けた恩をまた別の人に送り伝えてゆくことはできるんだ。

そのことを「恩送り」というんだ (...)受けた恩に比べたら、自分は何分の一も返せないのに恩返ししようなどとはおこがましいかもしれない。だが、恩送りなら、小さなことから少しずつ、できることをやればよいし、それしかできないだろう』